射水市新湊博物館 トップへ戻る
事業の紹介
 財団法人高樹会では平成24年度より公益財団法人 図書館振興財団の助成を受け、所蔵する国指定重要文化財・高樹文庫「石黒信由関係資料」の撮影・デジタル化に取り組んでおります。
 撮影・デジタル化した資料については、自治体史・歴史資料検索閲覧システム「TRC-ADEAC(アデアック)」上で平成26年度よりインターネット公開し、どなたでも閲覧・利用できるようになる予定です。
国指定重要文化財・高樹文庫「石黒信由関係資料」
 江戸時代中期に越中国射水郡高木村(現・富山県射水市)に生まれた石黒信由以下4代に渡る和算、測量術、天文・暦学、航海術などにかかわる歴史資料は、「高樹文庫資料」として地元の有志により大正9年5月に設立された高樹会(昭和6年1月、財団法人設立認可)が保管してきました。
 和算の高度な知識に裏付けされた測量術により作成された地図類は、藩からの下命となる古文書(一紙文書)に始まり、測量時の日記や現地測量の野帳、そのデータを絵図化した切下絵図、それらをつないだ下絵図、着色し完成させた清図と、一貫して体系付けられて残っています。しかもその絵図の精度は、わずか東西0.2%、南北0.7%(天保5年加越能三州図、神前進一論文)の誤差という、同時代の著名な測量家である伊能忠敬の地図にも劣らない水準です。一地方の歴史資料としてではなく、明治以前の我が国の科学技術の水準、発展を示す資料として評価され、昭和59年6月「石黒信由関係資料」として全12,000点余の資料のうち、信由が直接手がけた2,051点(その後追加指定があり、現在3,764点)が国の重要文化財に指定されました。
 現在、高樹文庫資料は高樹会から新湊博物館に寄託、同館の中核資料として保管されるだけでなく、常設展示及び収蔵しながら閲覧できる閲覧収蔵庫や様々な企画展示で紹介されています。
撮影の様子
 資料は虫損や経年劣化により損傷の激しいものも多く、博物館における展示や専門研究者の閲覧にも支障を来たしていました。このため、平成15年度から24年度までの10年間で文化庁の補助を受け、国指定資料の1/3強にあたる1,544点を対象に修理事業が実施されました。
 これによって今後の資料展示や実物に接しての調査研究には支障が少なくなってきましたが、現物の直接利用には自ずから限界があります。そこで本事業により、さらなる利活用の促進のために資料が高精細にデジタル化されました。
 以下は、平成25年3~7月の間に2回に分けて博物館内で行われた撮影の様子です。
  1. 古文書類(日記や野帳)
    古文書類の撮影  
     
     
     横帳をスキャンしている様子です。小型・中型資料撮影・デジタル化用のブックスキャナを使用し、約230点の古文書がスキャンされました。
  2. 絵図類
    絵図類の撮影   
     絵図の撮影現場の様子です。写真の場面は中型の大きさの絵図を広げ、撮影前に資料の状態を確認しているところです。撮影は4m×4mの大型資料撮影用の櫓を設置し、そこに複数のスキャナカメラを取り付けて行われました(約350点の絵図を撮影)。
     スキャナカメラ「CONTENTS MAKER」 なお、スキャナカメラとはカメラ型のスキャナ装置のことです(右下の写真)。1度のスキャンで1億画素(10,000×10,000ピクセル、約300MB)といった大容量・高精細な画像を作ることができます。
  3. 測量器具類
    測量器具類の撮影  
     
     プロ用のデジタルカメラを使い24点の測量器具が撮影されました。撮影対象となる測量器具は博物館が所蔵する実際の測量に使われた数々の道具のうち、代表的な物が選ばれました。