射水市新湊博物館 トップへ戻る
図書館総合展のフォーラムで報告
 2013年10月29~31日にパシフィコ横浜で、図書館分野の総合展示会である「第15回図書館総合展」が開催されました。 会期中には様々なフォーラムが行われましたが、そのうちの1つ「地域史資料のデジタル化と公開に挑む!」フォーラム(図書館流通センター/TRC-ADEAC共催)で今回の事業を報告しました。
  • 報告者: 島崎毅(富山県射水市中央図書館長・前射水市新湊博物館長・前高樹会事務局長)
  • タイトル: 地域史資料のデジタル化と公開に挑む!
    「長野県を知るための100冊」と「重文・加越能測量絵図
  • 参加人数: 112名(図書館、企業、学校関係者など)
 以下、報告の概要や参加者の方のご感想をご紹介します。
こちらからフォーラムの動画をご覧になることもできます。
地域史資料のデジタル化と公開に挑む!(報告の概要)
  1. 新湊博物館には重要文化財指定を受けている江戸時代の歴史資料「高樹文庫」がありますが問題…
    • 利用頻度の高い資料ほど損傷がひどい
       → 閲覧希望者に不便
    • 修理が済み、博物館での展示や研究者等に対する閲覧は可能となりましたが、膨大かつ大型絵図が多い
       → 「自由に好きなだけ見て研究」という訳にはなかなか行かない
    という現実がありました。
  2.  その解決を図るために、昨年度の図書館振興財団の助成事業に応募・採択頂き、400点あまりの絵図とその関連古文書200点ばかりを高精細画像で撮影し、「200年前の世界に誇れる日本の科学技術で作成された絵図を、現代の最高水準のIT技術で世界に発信」すべく、現在デジタルベース化を図っているところです。
  3.  今回の報告では、データ化が完了した「幕末加賀藩の大運河計画」に関する資料をご覧いただきながら運河計画の概要を紹介し、地域史資料のデジタル化と公開について、具体的にどういったことを目指しているかをお話ししました。
    島崎毅(富山県射水市中央図書館長・前射水市新湊博物館長)
    島崎毅(富山県射水市中央図書館長・前射水市新湊博物館長)

  4.  実際に複数の画像データを操作しながら
    • 加賀藩の大運河計画
    • 古くからの運河計画
    • 「越前近江糧道測量絵図」の精度
    • 「越前近江糧道測量絵図」部分の拡大比較
    • 加賀藩測量隊の標高測量の精度
    • かつての舟川の流れ
    といった内容をお話し、高精細にデジタル化された資料の活用方法や素晴らしさを示しました。
  5. タブレット端末 高樹文庫に残された絵図には驚異的な精度があります。 今回の事業ではそこまでは予定していませんが、将来的な話として、タブレット端末に古地図の情報を入力して「古地図で見るカーナビ」も考えてみたいと思っています。「かつての関所は、ここにあったんだ」「高札場はここにあったのか」など見ながら散策できれば大いに観光振興にも役立つし、地域の歴史もより身近に感じられるのでないかと思います。

  6.  当面は新湊博物館を皮切りに
    • 市内の図書館、生涯学習施設にPCを設置し、来館者の方に高精細画像を閲覧してもらいます
    • クラウドを活用することにより、誰もが自宅のパソコンでも閲覧できるシステムを構築すべく準備を進めています
    • 地域資料についても、高樹文庫に伝わる内容的に日本一の和算資料群をはじめ、射水市の合併以前に各市町村史編纂のために収集した資料のデジタル化も考えています

  7. 撮影の様子 現在のデジタル化・高精細画像の作成や編集技術はすばらしく、閲覧のためのソフトについても、どんどん活用しやすいものが開発されてきています。貴重な郷土資料を保存し、後世に伝えていくという図書館の持つ使命を全うするという点でも、今後は郷土資料のデジタル化は重要な意味合いを持つようになるでしょう。
     本日参加されている図書館関係者や公文書保管の業務関係者の皆さんも、是非、皆さん方の地域の貴重な郷土資料のデジタル化を進めて行かれることをご提言申し上げます。
参加者のご感想
  1. フォーラムの内容については
    とても参考になった:36%
    参考になった:54%
    あまり参考にならなかった:10%

     9割の方から前向きな評価をいただきました。
    本事業の取り組みを十分にアピールできたかと思います。


  2. いくつかのご感想を抜粋・要約させていただくと
    • 高精細画像が本当にきれいで感動した。文書や絵図を重ねたり、並べたり見比べる事ができて素晴らしい
    • デジタル化の利点が良くわかった。デジタル化の実務的な部分(なぜデジタル化し、どのように公開し、どんな反応といった話)がもう少しわかるとよかった
    • 日本各地に貴重資料が膨大に眠っている現実に驚いた。これからの公共図書館の役割は地域資料のデジタル化であるとの思いを強くした
    といったご意見がありました。

     今後、事業成果をインターネット上で公開する上で、大変参考になりました。
    ありがとうございました。