![]() 富山湾は三方を陸地に囲まれた袋状の湾で、一般的に余り大きな波は立ちませんが、湾口が北東に開いている為、北東の強風が続く時は大きな波が起こる事があります。 富山湾の「寄り回り波」は、日本海沿岸で特異な性質を持つ波浪として有名な物です。この波は、主に冬季に発生し、日本付近が強い冬型の気圧配置になった時に顕著になります。低気圧が日本海を通過して、北海道東方海上で発達・停滞した時、間宮海峡から北海道西方海上にかけて気圧傾度が異常に大きくなり、北ないし北東の強風が吹き続けます。この強風により発生した風浪がうねりとなって日本海を南下し、富山湾に進入します。そして、富山湾の地形と複雑な海底地形の影響を受け、さらに大波となって沿岸に打ち寄せます。 特に県内を流れる庄川・神通川・常願寺川河口近くの沿岸に集中的に影響を及ぼすのが特徴です。 |
![]() |
波の高さを表す時、気象庁では「有義波高」を用いています。「有義波高」とは、押し寄せる100個の波のうち、高い方から順に選んだ33個の波を選び、これを平均した波の高さで、その周期を「有義波周期」と言っています。 一般に波高と言った場合は「有義波高」を指します。しかし、実際にはこの「有義波高」よりも高い波があります。100個の波に1個は「有義波高」の1.5倍、1000個の波に1個は2倍近くの高さになります。これを一発大波と言います。例えば、波の高さの予報が2メートルなら、時には3メートルから4メートルの高波が押し寄せる事になります。 |