いみず雫のSDGsインタビュー(クリア家具合同会社) 2023年4月19日更新 シェア ポスト こんにちは。いみず雫です! このコーナーでは、SDGsに取り組む企業や団体等を私が取材して皆さんにご紹介します。今回ご紹介するのは、射水市戸破にあるクリア家具合同会社さんです!クリア家具合同会社さんでは、家具のコーディネート販売だけでなく、家具の修理再生・アップサイクルを事業として取り組んでおられます。今回、SDGs推進室長の本田さんにお話を伺いました。 目次1 家具の修理・リメイク2 家具を通じて暮らしの中にある思いをつなぐこと3 SDGsを通じた変化 1 家具の修理・リメイク 雫:お店の中は素敵なインテリアや家具で溢れていますね!それではさっそくインタビューをさせていただきますが、まず本田さんのお仕事について教えてください。 本田:クリア家具合同会社でSDGs推進室長をしております本田由紀子と申します。弊社では家具やインテリアのコーディネートに関わる提案から販売、また修理も行っており、私は、その中でも婚礼タンスのリメイクを主に担当しています。 弊社の扱う家具は「修理ができるもの、直して長く使い続けることができるもの」を基準として販売させていただいております。また、コーディネート販売にも注力しており、リフォームやコーディネートの難しい場合など、ご自宅へお伺いして、新しい家具だけでなく、ソファや椅子の張替えなどの修理やカーテンなど、トータルでご提案することができます。 家具の修理に関しては、弊社でご購入いただいたお客様だけでなく、どこで購入された家具でも修理可能なものは修理しており、メーカーを問わずご相談をお受けしています。使い勝手が良く、お気に入りの家具を一度修理してこれからも使いたい、あるいは、両親や祖父母が使っていた思い入れのある家具をまた使えるように直して受け継ぎたい、といったご相談が寄せられます。 また、婚礼家具のリメイクも県内でいち早く取り組んでおります。最近では相続の関係で、ご実家に残された家具を見に来てほしいというご相談も増えてきていて、どのようにリメイクしたいか予め決まっている方もいらっしゃれば、どんなリメイクができるか知りたいという方もおられ、思い出話から始まり、ご要望など、たくさんの思いをお聞きして、提案しています。 雫:家具のリメイクというと、別の家具に生まれ変わったりするんですか? 本田:最近はウォークインクローゼットが主流になり、婚礼タンスの中でも、一番大きな洋服タンスの置き場所に困っている方が多く、幅を活かしてTVボードにしたり、余った扉で本棚にしたりします。また、ご両親にせっかく用意してもらったのに、あまり使っていなかったセットの婚礼タンスを、リビングダイニングで使うキャビネットにリメイクしたことで、毎日よく使う収納として生まれ変わりました。 婚礼家具以外では、和室の座卓についても多くお問合せをいただきます。とても重いので、ご夫婦で動かせるようにしたい、また、床に座るのが辛くなってきたから高さを上げて椅子座にしたい、あるいは、ご夫婦二人だけになったからダイニングテーブルに、など。そういったリメイクもさせていただいています。 アップサイクルというと、どこかで使わなくなったものを形を変えて販売するのが一般的ですが、弊社の場合はお客様の思い出の家具をアップサイクルして、再びお客様に戻すというケースがほとんどです。 2 家具を通じて暮らしの中にある思いをつなぐこと 雫:大事にしたいけど壊れてしまったものを、直したり形を変えてまた使えるようにしてもらえるサービスは素敵ですね!家具の修理はいつ頃から始められたのでしょうか? 本田:弊社は2000年に創業し、家具の修理は創業してから数年後に始めました。その後、事業を進めていく中で転機になったのは2011年の震災です。その年に、思い入れのあった家具を修理したいという問い合わせが増え、改めて「家具を通じて暮らしを見つめなおす」ということを考えたときに、私たちの家具再生工房というものが、どういう考え方で修理に取り組んでいけばよいか、見つめなおしたタイミングでもありました。 あの時、目の前で日常が失われていくことを皆さんが目にした中で、家具を通じて、暮らしの中にある思いを繋いでいくことを、少しでも形にできたらというのが一つの軸になっています。 そういった思いを持ちながら家具の修理を進める中で、MDGsについて考え始めていたところ、次にSDGsが打ち出されて、弊社の取組みを象徴するものだと感じました。SDGsを通じて発信することで、弊社の取組みや思いを色んな方に分かりやすくお伝えできるのではと感じ、弊社の事業がSDGsに対してどういうふうに向き合えばいいかと考える必要があると思いました。 ※「MDGs」についてMDGs(ミレニアム開発目標)は、貧困や飢餓の撲滅など8つ目標を掲げ、2000年9月に開催された国連サミットで採択されました。2015年までの達成を目指して各国が取り組み、一定の成果をあげました。その内容は後継となるSDGsに引き継がれています。 考える指針の一つになったのが、先駆けて取り組んでおられた「たねや」さんという企業です。2018年に、たねやさんの「ラ コリーナ近江八幡」へ見学、ラコリーナツアーに参加して、地域とのつながりをすごく大切にされていらっしゃる取組みを見て、射水市や富山県というところで地域とつながった活動ができたらいいと再認識しました。 3 SDGsを通じた変化 雫:壊れたら捨てるのではなく、思い入れのあるものを形にして残していくことは、「ゴール12 つくる責任つかう責任」の達成にもつながりますね。SDGsについて考えを深めていく中で変化したことはありますか? 本田:大きく目に見えて変化したというというよりは、意識の部分で、弊社のスタッフそれぞれがSDGsを意識して仕事にあたるようになったのが一番変わったことです。 また、私たちが意識を変えていったのと同じように、世の中にSDGsが浸透していく中で、お客様の考え方も少しずつ変わってこられたと感じます。最初の頃は、修理をすること自体がちょっと恥ずかしいとおっしゃる方もおられましたが、それが今では、修理することを前向きに捉えるお客様も増えてきました。「これからはSDGsだもんね」というお言葉を頂戴することもあります。新たに家具を購入するだけでなく、いい家具や思い入れのある家具を修理することを、選択肢の一つとして自然に考えていただけることが大切だと思います。 他にも、SDGsの中でなるほどと思ったのが、パートナーシップで目標を達成しようという17番のゴールです。お客様だけでなく、地域の中で家具を修理してくれる職人さんに対しても、パートナーシップを軸にしてお付き合いをしていくことが大切であるというのもSDGsから学んだことの一つです。 雫:SDGsの広まりによって、お客さんの考え方も変わってきたと実感されているのは興味深いですね。今後のSDGsへの取組はどのように考えておられますか? 本田:SDGsが世の中に広まり、フードドライブや不用品の交換会など各所で行われていますが、その場限り、一回限りで終わることが多いと感じます。継続的にそういったことが行われるようになるには、「場所」や「場の雰囲気」が大切だと感じます。私たちは、インテリアを通じて空間を作るという仕事でもあるため、例えば、行政の方へのお願いとして、使われなくなった施設などを活用して、家具だけでなく衣食住に関するものが一堂に会して交換できるような場所を設けていただければ、譲りたい人、譲り受けたい人の双方が気軽に訪れ、心が通うような場所ができるのでは、と思います。インテリアは、その場を彩るお手伝いができると思っています。 雫:最後に読者に向けてメッセージがあればお願いします! 本田:SDGsの中でもパートナーシップは大切な考え方だと思います。それぞれがSDGsに取り組んでいるという考えを持つことで、SDGsを介せば、大きな会社の人でも、個人であっても関係なく意見交換ができ、小さなことからでも、より良い社会に向けて新しい意見が行き交うようになるのでは、と思っています。 皆さまのお家にも、眠っている大切な受け継ぎたい家具はありませんか?家具の修理は身近から始められるSDGsのひとつです。そんな時は、ぜひクリア家具【家具再生工房】にご相談ください。 クリア家具合同会社【家具再生工房】 所在地:射水市戸破3093-22電話番号:0766-55-2453営業時間:平日AM10:00-PM17:00、土日祝日AM10:00-PM18:00(火曜日は予約制です)定休日:水・木 お問い合わせ 企画管理部 政策推進課 所在地:〒939-0294 射水市新開発410番地1 電話:0766-51-6612 FAX:0766-51-6646 Eメールアドレス:seisaku@city.imizu.lg.jp