いみず雫のSDGsインタビュー(レストランSazan×魚締師 佳太×富山高専ERC) 2024年12月20日更新 シェア ポスト こんにちは。いみず雫です! このコーナーでは、SDGsに取り組む方々を私が取材して皆さんに紹介していますが、今回はレストランSazanと新湊の漁師「魚締師 佳太」と富山高等専門学校アントレプレナー研究同好会(富山高専ERC)の3者による未利用魚の活用に向けたコラボプロジェクトを紹介します! プロジェクトのきっかけはレストランSazanと富山高専ERCとの出会いでした。射水市の海老江海浜公園にほど近い海沿いには、地元の素材を活かしたフレンチが楽しめるレストランSazanがあります。お店には多くのお客さんが訪れていますが、年配のお客さんが多く、若い方にもフレンチをもっと気軽に楽しんでいただけないかと考えて、お店の近くにある富山高等専門学校のアントレプレナー研究同好会に相談をされました。 アントレプレナーシップとは?日本語で「起業家精神」と訳されることがありますが、さまざまな困難や変化に対し、与えられた環境にとらわれず、自ら枠を超えて行動を起こし新たな価値を生み出していく精神や姿勢を指します。 同好会には30名ほどの学生が在籍されて、ビジネスプランコンテストへの参加やマルシェへの出店など多彩な活動を行っておられますが、レストランSazanからの相談を受けて、若者目線も取り入れながらどうすればよいか話し合い、若い方にも気軽に来ていただけるようなテイクアウト商品の開発を検討することになりました。 富山高専ERC部長の小倉さん。学生とは思えないほど、堂々とプロジェクトについて語られていました。 そうしたときに、新湊で漁師をされている八ツ橋佳太(やつはし けいた)さんからコラボの申し出がありました。佳太さんは漁師として日々漁に出てお魚を獲り、美味しく届けるための締め方を追求したり、お魚や漁業の魅力を子ども達に伝えるため学校等でお魚授業を開催されたりしているほか、「魚締師 佳太」としてYoutube活動も行っておられます。お魚の鮮度が良い状態で遠方の方にも美味しく食べてもらえるよう、魚の状態によって船上で魚を締める「神経締め」や「首折り」といった締め方を取り入れて漁業を行っておられます。 魚の締めとは?漁獲した魚の鮮度を保つために行われる処理のことで、野締め、活締め、神経締めなど様々なやり方があります。それぞれ適した締め方をすることで、死後硬直を遅らせ旨み成分を引き出しながら鮮度を保つことができます。 神経締めをする佳太さん。インタビューの中で、「未利用魚の活用が広がって、まちおこしにつながればいい」というお話から、漁業と地元への愛が感じられました。 新湊では刺身や寿司といった和食のイメージが強い魚料理ですが、自分の締めた魚をフレンチのシェフに料理してもらいたいと考えて、レストランSazanに相談されたそうです。こうして、魚締師 佳太、富山高専ERC、レストランSazanの3者が揃い、ミーティングを重ねる中で、未利用魚の問題に出会いました。 皆さんは「未利用魚」という言葉を聞いたことがありますか?射水市の新湊漁港には毎日沢山のお魚が水揚げされて、魚市場のセリを通じて鮮魚店や食品スーパーに届けられ購入できますが、市場に流通せず廃棄されたりするお魚(未利用魚)がいます。規格外だったり、鮮度落ちが早かったり、商品化のための処理に時間と手間がかかりすぎたりなど、未利用魚となる理由は様々ですが、ある調査では日本で年間約300万トンのお魚が獲れて、そのうち1割程度が未利用魚として棄てられているそうです。せっかく獲れたのに棄てられてしまうのはもったいないですね。 獲れた魚を美味しく届ける中で、未利用魚もなんとかして美味しく食べてもらいたいという佳太さんの思いと、未利用魚という社会課題に興味・関心を持ち、学生の立場からその問題の解決に一役買いたいという学生の思い、地元の素材を美味しく提供したいというレストランSazanの思いがコラボして、未利用魚を活用したコースメニューが考案されました。 レストランSazanシェフの黒崎さん。料理に向き合う姿勢が素敵でした。 今後はコースメニューの店内提供に向けた準備や、未利用魚を活用したテイクアウト商品の開発、学生によるパッケージデザインの検討を進めて、未利用魚を含む新湊の魚をもっと知ってもらい、かつ美味しく食べてもらうためにコラボプロジェクトを推進するそうです。 また、このプロジェクトは地産地消や未利用魚の活用というSDGsへの貢献以外にも、1月の能登半島地震で被害を受けた地元の水産業を応援したい、学生とコラボすることで若い世代にも水産業や魚メニューに興味を持ってもらいたいという思いも込められています。レストランSazanの松尾さんは、もともと日本全体で獲れる魚が少なくなっている中で、今回の地震の影響を受けて新湊漁港での水揚げが更に減少したことで、水産資源を守ることの大切さを改めて感じられたそうです。今回の取組が限りある資源の有効活用につながり、さらに取組が広まって考えるきっかけになればいいとお話されていました。 レストランSazanの松尾さん。今回のプロジェクトについて丁寧に教えていただきました。 今回のコースメニューでは「エソ」や「イネゴチ」といった未利用魚が素敵な料理に生まれ変わっていましたが、未利用魚がもっと身近になって、お魚について考える機会が増えていったらいいですね。 「レストランSazan」住所:射水市海竜新町2番地TEL:0766-86-2033お店の営業日や時間など詳細はこちらhttps://sazan.favy.jp/ 「魚締師 佳太」Youtubeチャンネルはこちらhttps://youtube.com/@gyoteishi?feature=shared お問い合わせ 企画管理部 政策推進課 所在地:〒939-0294 射水市新開発410番地1 電話:0766-51-6612 FAX:0766-51-6646 Eメールアドレス:seisaku@city.imizu.lg.jp